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いよいよ始まるJ1昇格争い
欧州など主要リーグとカレンダーを合わせる名目で開幕した新章Jリーグ。
百年構想リーグとは異なり、昇・降格を伴う厳しい戦いがいよいよ始まった。
開幕からまだ3試合、獲得できる勝点は最大で9。
今はまだ、1つの黒星や引分けが致命傷になるほどの差はついていない。
しかし、全38節を戦い終えるころには、このわずかな差の積み上がりが、明暗をわけることになる。
J2からJ1への自動昇格圏内である2位以内、プレーオフ圏内である6位以内に入るためには、
結局のところ勝点はどのくらい必要で、何敗までなら許されるのか。
この記事では、J1参入プレーオフ制度が始まった2012年から2025年シーズンまでの14シーズン分のデータを紐解いて、この疑問に答えていきたい。
これから2027年5月までの長いシーズンを、「J1昇格」という目線で見たときの具体的な勝点や勝敗の目安を提供する。
先発メンバーの固定度から見た百年構想リーグの各クラブの振り返りはこちらにまとめているので興味のある方はぜひ。
昇格圏内に必要な勝点は
まずは基本的な数字を確認したい。
2012年~2025年の14シーズン、各シーズンの1位から6位までのクラブが獲得した勝点と最大勝点(試合数×勝点3)に対しての獲得率の平均と標準偏差の数字を表に示す。
- 平均勝点:各順位のクラブが獲得した勝点の平均値。2023年までは試合数が42試合だったため、現行の38試合に換算している。
- 平均勝点獲得率:シーズンで獲得しうる最大勝点(試合数×勝点3)に対して何%の勝点を獲得できたか
上述の通り、2023年シーズンまでJ2は22クラブ全42試合で、現行の20クラブ全38節よりも試合数が多いため、平均勝点の値は42節分の数字を0.9掛け(38÷42≒0.9)して38節での勝点に換算し直している。
自動昇格権を持つのは1位と2位。プレーオフに回るのが3位から6位までの4クラブ。
ちなみに、この3位〜6位がプレーオフ進出という制度は2012年の制度導入時から一貫しているが、プレーオフのレギュレーションはこれまで何度か変遷している。2012~2017年はプレーオフ勝者が昇格する現行と同制度、2018〜2022年はプレーオフ勝者が J1年間16位クラブと戦う入れ替え戦方式に変更。2023年から再びプレーオフ勝者が昇格する現行のプレーオフ制度に戻っている。
この表を見ると、浮かび上がってくる目安はシンプルだ。
現行の38試合ペースで言えば、自動昇格圏の2位以内を狙うなら勝点の目安は73、プレーオフ圏内を最低限死守するなら勝点61が目安になる。逆に言えば、38試合を終えて勝ち点61に届かなければ、過去14年のデータ上は昇格圏内に踏みとどまるのが難しいということになる。
もっとも、この「目安」はあくまで平均値。この数字を確保できたからといって、必ずしも2位以内、6位以内が保証されるものではない。
実際に、2025年は38節終了して、自動昇格の目安勝点73に届かなかったV・ファーレン長崎が、勝点70ながら2位で自動昇格している。(ちなみに1位の水戸ホーリーホックも勝点70で並び、得失点差で水戸が優勝)
また、2016年は38節時点で2位以内の目安73を上回る75の勝点を獲得していた松本山雅が、3位となり自動昇格圏を逃している。
各シーズンのクラブごとの詳細は、記事最後に付した付録データを参照して欲しい。
次章ではこの勝点の目安を、もっと体感しやすい「何勝何敗」に翻訳してみたいと思う。
「何敗まで」なら許されるか
過去14シーズンの1位~6位のクラブは、何勝何分何敗だったのか、それを調べたのが以下の表である。
こちらも勝ち点の数字同様、全38節に換算した数字だ。
一言でまとめるなら、自動昇格を果たすクラブは平均して38試合で7敗程度に抑えている。
9敗、10敗と負けが込んでくると、自動昇格はまず難しくなる。
プレーオフ圏の最低ライン(6位)は11敗前後まで、というのが目安になる。
もっとも、これもあくまで平均。当然例外もある。2013年の徳島ヴォルティスは、全42試合を20勝7分15敗で終えた。シーズンの1/3強を落としながら4位でリーグ戦を終え、プレーオフ経由での昇格を果たしている。現行の38試合換算に直すと概ね18勝6分14敗相当。「プレーオフ経由の昇格を狙うなら14敗前後でもまだワンチャンスある」——このくらいの幅で捉えておくといいだろう。
ちなみに理論上の極端な話もしておくと、「引き分けゼロ」と仮定した場合、自動昇格ライン(目安勝点73)は24勝14敗ペース、プレーオフ圏6位(目安勝点61点)も21勝17敗ペースで届く計算になる。ただし実際には1シーズン38試合あたり各クラブ平均で9〜10試合前後が引き分けになるので、現実的な目安としてはやはり上の表の7〜11敗を参考にしたい。
シーズンの各タイミングでのどのくらい積めていれば昇格ペースか
冒頭でも述べた通りこの記事を書いている時点ではまだ3節が終了しただけ。勝点は最大でも9点。判断するにはまだ早いだろう。
シーズンが全消化試合数の25%(10節), 50%(19節), 75%(29節)と進むにつれて、自身の応援するクラブが「昇格ペースかどうか」が少しずつ見えてくる。以下が、シーズン各時点での目安勝点である。
表をよく見ると、10節時点では4位・5位・6位の数字がわずかに逆転している(4位と5位が14pt、6位15ptで、最終順位とは逆に並ぶ)。これは集計ミスではなく、最終順位4〜6位で終えるクラブはもともと僅差の集団であることの表れだ。
自動昇格ペースは、序盤10節では17〜18勝点が目安、シーズン折り返し(19節)の時点では、およそ35〜40勝点が目安。
プレーオフ圏キープは、10節時点で14~15勝点、シーズン折り返し時点でおよそ31勝点前後というのが目安になる。
以下のグラフは、各節時点での1位~6位の14シーズン分の平均勝点とクラブごとの勝点の推移である。太いラインが平均値、細いラインが各シーズンごとのクラブの勝点の推移を示している。チェックボックスの操作で順位やクラブの表示/非表示を切り替えられるので活用して欲しい。各節時点で自身の応援するクラブが、これらのラインよりも上にいるかをひとつ参考にしてほしい。
順位別(1〜6位)の累計勝点
まとめ
ここまで見てきた数字を、現行38試合換算のチートシートとしてまとめておく。
数字だけ覚えるなら、自動昇格ラインの目安は勝点73(獲得率64%)・7敗まで、プレーオフ圏の最低ラインは勝点61(獲得率53%)・11敗まで——この2つを頭に入れておけば、シーズンを通してどのクラブが昇格圏に近いか、大まかな見当がつく。
ただしこの勝点はあくまで目安であって、自動昇格やプレーオフ圏内を保証するものではないことは留意して欲しい。
開幕からまだ3節、最大勝点9の今の時点で言えるのは、「まだ何も決まっていない」という当たり前の事実と、「あと数試合で少しずつ輪郭が見えてくる」という過去14年分のデータが示す傾向。
来年5月までの長いシーズン、これらの数字を頭の片隅に入れながら見ていくと、自分の応援クラブが過去の昇格クラブに対してどの位置にいるのかを確かめる材料になるはずだ。
付録:14シーズン分のクラブごとの勝点の推移
2012年から2025年までの14シーズン分の6位までのクラブの勝点の推移をまとめています。ご参考まで。
データ一覧
84クラブシーズン(14シーズン×1〜6位)全ての節別累計勝点。列見出しは節番号。
